「明日、君がいない」あらすじと感想

明日、君がいない

「明日、君がいない」という2006年に19歳という若い監督が撮ったオーストラリア映画。

その若さからは考えられないほどストーリー構成がしっかりとしていますが若いからこそのやや荒削りな感もあって、雰囲気を盛り上げてくれます。

どこかノスタルジックな雰囲気が漂うこの映画は、ストーリーなどをまるっきり同じでベテラン監督が撮影をしても素晴らしい出来栄えにはならなかったでしょう。

「明日、君がいない」あらすじと感想

舞台はオーストラリアのとある高校で、午後の授業が行なわれているなかで、誰かがトイレで自殺を図るのです。

その「自殺した人物は誰なのか」を、まるでドキュメンタリー番組のように描いています。

その高校に通っている誰かが自殺を図ったのですが、どの登場人物も自殺してもおかしくないほど辛い人生を送っていて、高校生の実態と大きな悩みに直面するのです。

主人公メロディと兄マーカス

主人公のメロディは家族関係に悩んでいて、両親と兄のマーカスからひどい扱いを受けています。

優秀な兄のマーカスは父親の影響を受けて弁護士を目指しています。

父親を尊敬しながらもあまりにも厳しさに恐れを感じ「自分は完璧ではいなくてはいけない」という彼なりの悩みを抱えています。

そして、その苦しみから妹のメロディに八つ当たりしています。

メロディ自身も居場所のなさで孤独と不満で胸がいっぱい。

そして兄も強いプレッシャーで悩んでいるという点は高校生らしい悩みでありながらも、二人とも自殺してもおかしくないほど苦しんでいるのです。

障害のあるスティーブン

その兄と妹が通う高校には障害がある男子がいます。

尿道が二つある体質から学校の生徒からいじめを受けていて、とても辛い思いをしています。

ですが家族には心配させたくないと黙って我慢するしかない孤独。

スティーブンもいじめを苦にして自殺はありえるなと、インタビューの語りからまるで推理映画を観ているような気持ちにさせられました。

キラキラ系女子・サラ

どこにでもいそうなキラキラ系の女子であるルークの彼女は、悩みなんてなさそう・・・。

なのに実は思い込みが激しくて、誰かが彼氏のルークを狙っているのではないかという自分の想像に押しつぶされそうになっています。

登場してくる人物はみんなその悩みの重さは違えど、高校生ならではの多感な時期に抱えている悩みに押しつぶされて、ふとした拍子に死を選んでしまいそう。

どうにか助かる手立てはないのだろうかと考えさせられました。

同性愛で麻薬に溺れるショーン

女子に人気の男子が実はゲイだということがバレたら学校にいられなくなる、自分の今いる良いポジションを失ってしまうと恐れているのはあまりにも切ないです。

自分の見栄とポジションを守るために、好きでもない男受けしそうな巨乳で美人でいわゆるイケている女子を彼女にします。

その陰には秘かに相思相愛の男子がいます。

涙ぐましい切ない努力も周りにはゲイであることがばれていて見下されたりと、ゲイに対しての世間の反応のリアルさにもゾッとさせられました。

巨乳の女子

男子から注目の的の巨乳の彼女は、人生思い通りにいっている悩みなんてなくて自殺をするようなタイプではないですよね。

でも実は彼がゲイであることに気がついていて、自分とカモフラージュで付き合っていることを知っていながらどうにか彼から愛されたいと願っています。

その願いがなかなか叶わずに苦しい思いをしています。

友達の自殺がきっかけで出来上がった映画

この映画は、実際に監督の友達が自殺をしたことをきっかけに撮られた映画ということもあり、その自殺の理由や人物描写がとてもリアル。

自殺した人物が死を覚悟したきっかけを知ったとき、人間というのは目に見えている問題だけがその人を追い込んでいるのではなく、心の奥深くの苦しみは見えないのが人間なんだというハッとさせられるような思いがしました。

エマ

高校というあまりにも閉ざされた世界にいるからこそ、悩みを解決する糸口が見つからずに死んでしまうのかと思うと、胸が苦しくなります。

この映画は自殺をテーマにしていますので全体的に重いです。

表面上は取り繕っていても、内面の苦しみは見えない。

一見悩みなんてないような人生思い通りに見えるいじめっこも、巨乳で男を魅了する女子も、みんな見えない心の傷を負っていることがひしひしと伝わってきます。

見える部分で悩みを抱えている人もいれば、表面上は明るくても闇を抱えていることに妙な人間性を感じられました。

そして、そのことこそがこの映画が伝えたかったことなんだとエンディングが流れるなかで呆然と思ったのです。

誰がどのようなきっかけで死を選択するのかなんて分からない、なんであの子が自殺したのだろうかと囁かれるような人でも明日はいないのかもしれないのです。

命は本当に儚いものだと深く感じられる

終始ダークな雰囲気に包まれているので、自殺防止のための映画としてはあまりのも過激な内容が続きます。

しかし、そのダークな内容でものめり込めるのは本当のドキュメンタリーを見ているような感じになるから。

全てにおいて衝撃的な展開が待っています。

最も衝撃的だった兄と妹の関係

家庭に居場所がないながらも、動物や恵まれない国の子供たちを救いたいと願っているメロディと、恵まれない子供たちに寄付する妹のことを愚鈍だと馬鹿にする兄のルークとの関係が最も衝撃的でした。

妹を蔑み、優秀すぎるがゆえにクラスから孤立。

プレッシャーで挫けそうな兄が行なっていた暴言よりもひどい行為には衝撃と嫌悪感しかありません。

まとめ

ストーリーが進むにつれて自殺しそうな人は絞れるどころかどんどんと候補が現れるなかで、自殺した人物はラストに明かされます。

この衝撃のラストをイメージしていた人はどれほどいたでしょうか。

自殺した人物が判明した後の余韻もすごくてしばらくその衝撃から動くことを忘れてしまっていました。

この映画を観たら「身近な人をもっと大切にしよう、話を聞かなくては」と感じるでしょう。

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