北野武監督映画「菊次郎の夏」あらすじと感想

菊次郎の夏

この映画は母親に会いたい幼い男の子と、それに同行することとなった菊次郎との旅を描いたものです。

「菊次郎の夏」キャスト

  • 菊次郎:ビートたけし
  • 正男:関口雄介
  • 菊次郎の女房:岸本加世子
  • バイクの男:グレート義太夫
  • バイクの男の友人:井手らっきょ
  • 変態男(落武者):麿赤兒
  • 正男の母:大家由祐子
  • 車のカップル・女:細川ふみえ
  • ヤクザの幹部:関根大学
  • ヤクザ:田中要次、稲宮誠、村澤寿彦
  • あんちゃん:今村ねずみ
  • バス停の男:ビートキヨシ
  • テキ屋:諏訪太朗、江端英久

一味違った親子再会のストーリー

一般的に幼い男の子と母親の再会のストーリーとなると、美しい場面や涙が止まらない再会の喜び、ハッピーエンドとなるのが普通ですが、この映画は少し違います。

結局男の子は再会の場面で名乗らず、母親の今の現状を察し身を引く

母親は その男の子に気付かず、彼の配慮によって日常を平穏に保つことになるのです。

はじめこの男の子が母親に会いたいと行動をし出したところから、再会場面でいざなればもっと、わがままに振る舞うことも強気な様子で母親の前に出て行くこともできるのではないか、と思っていました。
けれども、まだそこまで自分の意思を押し通せない不器用さなのか、相手のことをおもんばかってしまった純粋さなのか、 結局男の子は母親との再会の目的を強引には達せずに帰ることになります。

そういう意味では、この映画は人生が思ったほどすんなり美しくはいくものではない、というような大人向けの映画なのかもしれません。

救いなのは、この男の子を取り巻く大人たち、特に菊次郎の人柄が、とても真っ当で優しいこと

意外と真っ当な菊次郎

人柄がと書いたのは、言動や素行が必ずしも品行方正なわけではなく、一見したところ、彼と知り合いになれないなと思うような場面もあったりしますが、彼の言動の 様々な場面を見ていると、人柄、心根という意味で、とても真っ当で、悪い素行の数々は 許容の範囲であり、人柄と混ざれば、全体的には素敵な大人と私は思いました。

逆に言動や素行は品行方正でも、人柄がかなり特殊な大人がいることは、変態を通して描かれていますがその点、菊次郎は まっとうであると思います。

はじめ男の子を任されたのに、ギャンブルに行ってしまう部分など、見たときにはかなり破天荒でいい加減なように思いましたが、男の子がピンチの時には大人の分別できちんと守る姿などを見れば、純粋な子供の部分と大人の部分が混じった、魅力的な人柄のように思いました。

どうやら彼にも、この男の子の心情が、近く感じるような要素があることも描かれていて、菊次郎の優しさがどこから来るのかということを考えさせられるような描写があります。

エマ

母親と合わずに帰ることになる男の子の気持ちをなんとか上げてあげようと、菊次郎と他の大人たちが奮闘する部分はコメディタッチも入っており、穏やかで優しく面白い場面となっています。

北野作品の中にはバイオレンスがあるものもありますが、この映画には全くありません。

穏やかで静かで、少し悲しくでもコメディタッチが入り、見ていて和むと思う場面もたくさんあります。

男の子は心情を考えたくなるような風情があり、不思議な魅力を放つ

菊次郎の夏あらすじ

快活で元気というよりは、おっとりしていて、少し内気なような、でも母親に会いたいと単純に行動を起こすあたりは 子供らしく、変態に捕まってしまうあたりではハラハラし、しかし母親に強引に自分をアピールしせずに帰ってくる辺りに、思慮を感じさせるような キャラクターです。

だからなのか、この子の言動で、少し口ごもるような肩を落とすような、そういう場面が出てくると、見ているこちらとしては内面を知りたくなるような、助けてあげたくなるような不思議な保護者気分で見てしまうところもあります。

菊次郎の魅力についても、優しさや人柄さらに加えて、意外と人に対する暖かさ、この男の子に対する保護者としての言動の柔らかさも、あると思います。

初めのうちは、この子の付き添いに菊次郎で大丈夫なのかと思う場面がありますが、だんだんとわかってくるのは、菊次郎は男の子を猫可愛がりしたり、何か率先してこの子にやさしさをかけようとする部分はあまり見受けられず、さっぱりしているような印象です。

しかし、この子がトラブルに見舞われたときや悲しみで塞ぎ込みそうな時には、大人の分別と、まるで子供のようなまっすぐさで、この男の子を助けるように奮闘します。

菊次郎は勝手なようで勝手ではなく、自己中心的であるようでそういうわけでもなく・・・

大人子供のバランスがとても良いタイプなのではないかと思います。

子供っぽい部分では男の子とまるで兄弟のように見えるときもありますし、でもそんな中で少し俯瞰したところから大人として彼を守ってあげられている部分もあると思い、 素敵だなと感じさせてくれる主人公になっています。

最後の部分で男の子が菊次郎に心を開いたんだなと思うようなセリフがあり、遠慮なく質問をするところがあります。

それに菊次郎が照れたように、ぶっきらぼうな感じ、でもちょっと笑いながら答えるところがありますが、そこがとても好きです。

きっと男の子はこの日のことを忘れない

母親との大きな物語があった日だから+その日に登場した菊次郎を温かい気持ちで思い出すようになるでしょう。

そしてそれは菊次郎の奮闘で男の子が少し救われた、人間って、こうゆう温かい部分もあるんだよなぁと思うような、少しほっとするエンディングになっています。

「菊次郎の夏」Twitterの口コミレビュー

まとめ

特に、特別な能力がある素晴らしいヒーローやヒロインが出てくるわけでもなく、ドラマチックな恋愛映画でもなく、非日常がでてくるような映画ではありません。

本当に私のまわりにもたくさんいそうな、普通の男の子、少し素行が悪いけれども優しい、その辺にいそうな菊次郎、初めでてくる、岸本加世子演じる女性も、そして途中から出てくる、たけし軍団の面々も、まあ普通に暮らしているその辺りにいそうな 普通の人々。

その普通の日常の中に、降って湧いた男の子の母親に会いに行くという大きな計画があり、それにまつわる普通の人たちの言動や心情を、わたしが休日に見たくなるのはなぜなのかと考えました。

エマ

その答えは「菊次郎の夏」の穏やかさや暖かさや静けさ、そして綺麗事ではいかない日々の描写、 さらに不思議で分からないですが、画面の映像が綺麗だなぁと思う場面が、たくさんあるのです。

それら全てが私の癒しとなっているようです。

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