「コンナオトナノオンナノコ」感想を書いてみました。

コンナオトナノオンナノコ

コンナオトナノオンナノコ」は、トライネットエンタテインメントとソリッドフィーチャー社による製作。

池袋シネマ・ロサにて封切られた後に、2007年の11月10日からはアムモの配給によってミニシアターを中心に単館上映されています。

第2次世界大戦終結直後の結核療養所で病弱な少年がたくましく成長を遂げていく「パンドラの函」や、過去の因縁に導かれて4人の男女が木造集合住宅で奇妙な共同生活を送る「乱暴と待機」など。

メガホンを取っているのは文芸作品の映像化からシチュエーション・コメディまでを手掛けている、冨永昌敬監督です。

安彦麻里絵によって2005年1月27日に祥伝社から刊行されている、レディース・コミックが原作になっています。

仕事ひと筋のキャリアウーマンと、結婚後の生活に物足りなさを覚えている専業主婦の、すれ違いや葛藤を描いています。

「コンナオトナノオンナノコ」あらすじ

コンナオトナノオンナノコのあらすじ

仕事に邁進するチアキ、浮いた話はない

東海地方の西部に位置する田舎町を飛び出した大久保チアキは、東京の出版社に就職してミセス雑誌「ベリッシマ」の編集を担当している29歳です。

1年前にお付き合いしていた中野淳一と別れて以来これといった浮いた話がないことを、故郷の母からは何かと心配されています。

すっかり所帯染みた、専業主婦のマサミ

同じ職場で意気投合して親友となった伊原マサミは5年前に結婚を期に退職していて、子育てと主婦業に追われる毎日でした。

ある時に編集部で結婚5年目の主婦を対象にした読者参加型の企画を立ち上がり、モニターのひとりとして選ばれたのがマサミです。

独身時代と比べてみるとすっかり所帯染みてしまったマサミは、かつての同僚たちと顔を合わせるのが余り気が進みません。

一方のチアキも30歳を目前に控えて、近頃では肉体的な不調と漠然とした不安に悩まされるようになっています。

久しぶりの再会を果たしたチアキとマサミそれぞれに、人生における重大なターニングポイントが訪れるのでした。

「コンナオトナノオンナノコ」キャスト

小田エリカ

勤務先でもプライベートでも自由奔放なヒロインの大久保チアキを演じているのは、1979年生まれで沖縄県出身の女優さん・小田エリカです。

神山征二郎監督の沖縄戦をテーマにした「ひめゆりの塔」や、黒木和雄監督の満州を舞台にした「美しい夏キリシマ」等。

シリアスな戦争映画や骨太の社会派ドラマでのイメージが強く焼き付いているだけに、今作で披露しているコミカルな演技には驚かされてしまいますよ。

桃生亜希子

チアキとはまるっきり正反対の平穏無事な人生を歩んでいく伊原マサミの役には、桃生亜希子がキャスティングされています。

マサミの娘でちょっぴりおませな風花の役には、撮影当時は若干4歳の磯野光沙が子役とは思えないほど情緒豊かに扮していました。

斉藤陽一郎、水橋研二

個性豊かで華やかな主演の2人と比較してみると、男性陣の方は若干マイナーで影が薄いかもしれません。

マサミの夫・数彦役の斉藤陽一郎や、チアキを振り回していく元カレ・中野淳一役の水橋研二を始めとするバイプレイヤーたちに注目してみて下さい。

「コンナオトナノオンナノコ」感想

カーテン越しに太陽の光が射し込んでくるベッドの上に下着姿のままで寝っ転がる、大久保チアキの物憂げな眼差しから本作品は幕を開けていきます。

右手に握りしめたガラケーで朝っぱらから電話をかけてくる実家の母親を軽く受け流しつつ、左手で器用にタバコに火をつける仕草が色っぽいです。

テーブルの上には飲みかけの缶ビールや空になったお茶のペットボトルが無造作に転がっていて、お世辞にも清潔感のある部屋とは言えません。

母から届くとうもろこしが大好きだった彼は、もういない

ビニールハウスで育てたとうもろこしを収穫シーズンになるとわざわざ時間指定受け取りの速達便で郵送してくる、おせっかいな母には笑わされました。

エマ

茹でたとうもろこしに素手でかぶり付くほど大好きだった彼氏・淳一との関係が、既に終わってしまっているのが切ないですね。

家を出るときには、すっかり編集者の顔

冷たい水で顔を洗い流してバッチリとメイクアップを決めてアパートの扉を出る頃には、如何にも流行の最先端を走る編集者に変身していて格好いいです。

隠せない疲労感

せっかくの休みの日に家族3人で映画館に出掛けながらも、早々と眠りこけだ娘の風花を抱いて四苦八苦する伊原マサミの表情には疲労感が滲みでていました。

帰宅した後は夫の数彦までもが布団の中で語学の睡眠学習を始めてしまい、ひとり冷蔵庫から出したちくわを齧りながら発泡酒で流し込むマサミにはときめくような瞬間はありません。

数彦の妹は異様なほど健康オタクかつ潔癖性で、たまに遊びにやってきては手作りのお魚ビスケットを風花にまで食べさせようとする傍若無人な育児論には呆れてしまいます。

ワンオペ家事と育児を済ませてようやく就寝したマサミを、夢の中で苦しめる医者と看護師のふたり組は何ともミステリアスな存在です。

「卑屈になる必要はない」という彼らからのメッセージを胸に、昔の同僚たちとの対面に臨むマサミの横顔が勇ましく映ることでしょう。

間近に差し迫った締め切りからわずらわしいオフィスでの人間関係まで、すべてを放り出したチアキが当て所ない旅へと繰り出していく後半の展開が痛快でした。

たまたま通りかかった牧場でアルバイトを見つけて、豊かな自然に囲まれた環境で肉体労働に励む姿には元気をもらえます。

母親業とバランスを取りながら5年のブランクを物ともせずに外に出て仕事を再開させるマサミは、チアキに感化されたのでしょうか。

保育園に預けらることとなった風花は新しいお友だちもいっぱい出来て一見すると楽しそうですが、本音はやっぱり寂しそうです。

ママ恋しさに風花が保育園脱走事件を起こすことによって、チアキとマサミの前に立ちはだかる最終試練が圧巻でした。

まとめ

ひとりが楽と言いながらも心の奥底には言い知れないほどの孤独を感じているチアキ、家庭に埋没していくだけの日々に我慢できないというマサミ。

エマ

「他人の芝生は青く見える」という言葉を地で行くかのようにお互いに無い物ねだりばかりをしていた2人が、初めて自分自身のあるがままの姿を見つめ直すクライマックスには心温まりました。

転職やキャリアアップを目指してとことん夢を追い求めるのか、幸せな家庭を築き上げて将来の安定を重視するのか。

さまざまな選択肢や分かれ道を目の間に突き付けられているであろう、アラサーには特にオススメ^^

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