映画「マラソンマン」あらすじと感想。ネタバレなし

マラソンマン

パラマウント社によって、1976年にアメリカで製作されているサスペンスドラマ。

日本でもユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズの配給によって、1977年の3月26日から劇場公開されています。

「真夜中のカーボーイ」や「ある種の愛情」などメガホンを取っているのは、社会派作品からラブストーリーまでの幅広い創作活動を続けたジョン・シュレンジャー監督です。

ウィリアム・ゴールドマンによってデラコルテプレス社から1974年に発行されている、「Marathon Man」が映像化されました。

全309ページに及ぶ長編小説が、原作者自身が書き下ろした125分のオリジナルシナリオへとまとめ上げられました。

ごく普通の大学院生が巻き込まれていく、ナチス復興を画策する残党たちの恐るべき陰謀とは?

「マラソンマン」あらすじ

「ベーブ」ことトーマス・バビントン・レヴィは、歴史学の博士課程取得のためにコロンビア大学の大学院に通っていました。

父親はマッカーシズムによって学会を追放されて、失意のうちに自らの生命を絶ったために既にこの世にはいません。

父の無念を晴らすために歴史学者を目指しているベーブには、同じく人一倍正義感の強いヘンリーという名前の兄がいます。

表向きは石油関係の企業に勤めているヘンリーでしたが、その実態はアメリカ政府の命を帯びて動く諜報員です。

ナチスドイツの戦争犯罪者クリスチャン・ゼルを逮捕するために行方を追っていたヘンリーでしたが、そのゼル博士は口封じのためにベーブの命を狙い始めます。

ベーブは無事にヘンリーとの再会を果たして、平穏な学生生活を取り戻せるのか??

キャスト

ダスティン・ホフマン

アイビーリーグの大学院生にしてマラソンランナー、主人公のトーマス・「ベーブ」・レヴィ役。

順風満帆な人生からある日突然に非日常へと転落していきながらも、文武両道の精神を貫き通して乗り越えていく青年を熱演していきます。

ロイ・シャイダー

危険なミッションへと果敢に挑んでいくベーブの兄、ヘンリー・レヴィの役にはロイ・シャイダーが扮していました。

ローレンス・オリヴィエ

レヴィ兄弟に音もなく忍び寄る不気味な博士、クリスチャン・ゼルの役をローレンス・オリヴィエが演じていきます。

「ヘンリィ5世」や「ハムレット」に代表されるような、シェイクスピア劇で数多くの栄冠を獲得してきた名俳優です。

平和ぼけした戦後のアメリカ社会に一石を投じていくかのごとく、亡霊のように甦った元ナチス親衛隊を怪演していました。

撮影開始直前まで体調不良が懸念され降板まで囁かれながらも、今作の名演技によってゴールデングローブ賞に輝いているのは流石ですね。

感想

4ヶ月ものニューヨーク市内ロケ

ニューヨーク

本作品は1975年10月ニューヨークでクランクインを迎えて、4カ月間に渡る市内全域での現地ロケを敢行しています。

朝陽を浴びて煌めくハドソン川を挟んだ向こう岸には、幾つもの高層ビルのシルエットが浮かび上がっていて壮観でした。

怪獣スペクタクル「キングコング」で有名なエンパイア・ステート・ビルディングから、2001年9月11日の悲劇に見舞われたツインタワーなど。

誰しもが見とれてしまうほどの摩天楼にも脇目も振らずに、アマチュアランナーのベーブが颯爽と駆け抜けていきます。

男子マラソンで金メダルを手にしたアベベ・ビキラの存在

金メダル

ベーブが敬愛して止まないのが、1964年の東京オリンピックにおける男子マラソンで金メダルを手にしたアベベ・ビキラです。

1960年代におけるアフリカ独立運動の象徴的な存在でもあり、裸足のランナーとしてのストイックさにベーブが魅せられてしまうのも致し方ありません。

時代背景や背負っているものは違えども、自分自身の信念を貫き通し走り続けるふたりのランナーには無条件でエールを贈りたくなりますね。

映画冒頭のダイヤモンド

ダイヤモンド

厳重なセキュリティシステムが張り巡らされた銀行の地下金庫から、運び出されていくのはひと粒のダイヤモンド。

このダイヤの元々の持ち主を辿っていくと、ホロコーストによって財産を奪われたユダヤ人へと行き着きました。

今の所有者は不当な手段を用いてダイヤを物にした、いかにも強欲そうなドイツ系アメリカ人のクラウス・ゼル。

セーフティーボックスから引き出した高額なダイヤを、何の変哲もないドロップの空き缶の中に忍ばせるなど抜け目がありません。

銀行の入り口を出た瞬間にすれ違った通行人のポケットの中へと、然り気無く滑り込ませる早業を見逃さないでくださいね。

ダイヤを巡って複雑に入り組む様々な思惑と、凄まじく繰り広げられていく頭脳戦とバトルが迫力満点です。

美しい宝石に吸い寄せられていく剥き出しの欲望と、アウシュヴィッツにまで遡るほどの罪深さに驚かされることでしょう。

オープニングショットのリアリティ感

NYの大通りを埋め尽くすほどに発生した大渋滞

NYの大通りを埋め尽くすほどに発生した大渋滞が、オープニングショットから映し出されます。

些細な口論がきっかけになって車体同士をぶつけ合う合うほどの、死亡事故へと発展していく様子がリアリティー溢れていました。

今の時代におけるあおり運転を彷彿とさせるものがあり、運転していたのがドイツ人とユダヤ人だったのが何とも遣りきれません。

ベーブに次々に降りかかる災難

悲惨な交通事故の被害を直接的には受けなかった大学院生・ベーブですが、この日を境にして次から次へと災難が降りかかってきます。

金持ちの実業家と思っていたヘンリー兄貴が諜報活動のスペシャリスト、心から信頼できるパートナーだったはずのエルサ・オペルがナチ戦犯の協力者。

目まぐるしく二転三転する登場キャラクターたちの立ち位置と、それぞれに隠されている裏の顔には騙されてしまいます。

知らないうちに事件の渦中へと放り込まれていたベーブが、持ち前の持久力と判断力を存分に駆使して立ち向かっていく姿が勇ましいです。

兄と恋人を亡くしながらも孤軍奮闘するベーブの前に、遂にその全貌を露にする最強最悪の黒幕が衝動的でした。

クリスチャン・ゼルとの頭脳戦

国際的に指名手配を受けて南アメリカに潜伏中だったナチスの戦争犯罪者、クリスチャン・ゼルが動き出していく後半戦が手に汗握りました。

ライオンのたてがみのようなふさふさの白髪から、「ホワイト・エンジェル」の異名で呼ばれているのも納得出来ます。

囚われの身となったベーブに、本職の歯科医らしく虫歯治療用のドリルを使った拷問を加えるシーンが残酷です。

孤立無援の窮地に陥ったベーブが、マラソンランナーとしての本領を発揮して逆襲に打って出るクライマックスが痛快でした。

まとめ

ホワイト・エンジェルことクリスチャン・ゼル博士は架空の人物ですが、実在するヨーゼフ・メンゲレをモデルにしています。

「死の天使」とまで畏怖されたメンゲレについて興味がある人は、アイラ・レヴィンの小説「ブラジルから来た少年」を読んでみてください。

ハラハラどきどきのサスペンス映画としてだけではなく、ニューヨークの観光スポットや歴史的建造物を疾走感たっぷりに楽しむことが出来ます。

海外に足を運ぶ機会が多い方たちや、つね日頃からジョギングを欠かさないスポーツマンにはお奨めな1本です。

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