ディズニー「ノートルダムの鐘」感想

「ノートルダムの鐘」は、1996年公開のディズニー長編ミュージカル・アニメーション映画

原作は、1981年出版のヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ(パリのノートルダム)」で、1956年にフランスで映画化もしてるんですよ。

映画の原題は、小説の内容を変更したため「ノートルダムのせむし男」としていますが、日本では放送禁止用語を含むため「ノートルダムの鐘」という印象的なタイトルに改題されています。

映像の美しさは、舞台となったロケーションゆえもありますが、1990年代のミュージカル路線のアニメーション映画の中でも屈指となる黄金期の作品です。

ストーリー・音楽とも評価が高く、登場人物の魅力や特殊な設定から難しかった興行成績とは裏腹に、その後のミュージカル公演や舞台は成功し、日本でも劇団四季による上演が毎年行われている芸術性の高い重厚な作品です。

「ノートルダムの鐘」のみどころと感想

1:ノートルダム大聖堂の内部や屋根の視点から描写した美しく厳かな映像

舞台となるのは、パリのカトリック教会ノートルダム大聖堂の内部と屋根の上から見下ろした視点、中世のパリの街並みという、美しくも厳かな光景です。

大聖堂の内部にしつらえた幾つもの大きな鐘や、高窓の鳥が飛ぶ位置から見下ろした風景が、世間の生活とかけ離れた異空間に存在するカジモトの特殊性、醜い容姿とは裏腹の純粋な心や人間性を端的に表しています。

霞んだステンドグラスのように美しい景色は、おそらく現地でも見る事は稀な映像です。

原作がヴィクトル・ユーゴーによる古典小説ということだけあり、ディズニーが大掛かりなアレンジを加えても重厚さは失われていません。

2:ディズニープリンセスの中でも一番の美人、エスメラルダ

歴代のディズニープリンセスの中でも、一番の美女とされているエスメラルダは、エメラルドグリーンに輝く瞳を持った自由を愛する情熱的な女性です。

中世の街並みや森、ノートルダム大聖堂の内部の少し太陽光が陰った暗めの背景の中で、美しい宝石のように輝く瞳が魅力的です。

生まれてからずっと大聖堂の中で暮らしてきたカジモトが、初めて外の世界に出てその容姿から人々に虐められた時に、優しくしてくれた最初の人がエスメラルダでした。

カジモトは優しい心根のエスメラルダに一目ぼれしてしまうのですが、その恋はやはりかなわず悲恋で終わります。

お似合いの美男美女カップル、親衛隊長のフィーバスと相思相愛の仲を知り悲嘆にくれるカジモトの悲恋は、ディフォルメを除けば現実でもありがちな話です。

3:カジモトの友達、3人の石像

ガジモトは、人の生活とは隔絶した環境で育ったため、時にノートルダム大聖堂のガーゴイル(雨どい)である石像や数種類の大きな鐘を擬人化し、意思の疎通をしています。

ガジモトの想像という考え方もありますが、本当にこれら3体の石像は、カジモトの友人として動いて話し、慰めては励ましす心強いユニークな存在として描かれています。

本作品より先に製作された「ライオンキング」に出てくるイボイノシシのブンヴァ達によく似た楽しいキャラクターもあり、本来ちょっと見るだけでも怖い魔物の彫刻の石像が、この作品ではユニークで好感が持てました。

4:ヴィクトル・ユーゴー原作ならではの重厚さが漂う作品

「ノートルダムの鐘」の原作はヴィクトル・ユーゴーの古典小説だけに、ディズニーがどのように美しく感動的にヒューマニズムをもって描き直していても、独特の重厚感が漂うシリアスな設定は、ちょっと異色です。

中世の魔女狩りが盛んであった中世の時代背景や、ジプシーやせむし男が中心となる登場人物である特殊な設定は、日本人にはあまりピンとこない部分もあります。

原作では、既婚者であったエスメラルダは魔女として火刑にされ、フィーバスは婚約者がありながらエスメラルダと愛し合った不誠実な男、後に婚約者と結婚(!)。

フロローはカジモトに突き落とされ命を落とし、カジモト自身も行方をくらました後、墓地でエスメラルダの白骨の隣で白骨ストーカーのような状態で発見された後に、塵と消えるというバッドエンドです。

この作品をハッピーエンドに再編したディズニーは、「ノートルダムの鐘Ⅱ」も製作し、カジモトと新ヒロインがついに結ばれるというストーリーに仕上げました。

中世ヨーロッパの魔女狩りは、女性に対するホロコーストとも言われるほど凄惨を極めたもので、ジプシーに対する差別も今も根深く、自由の国アメリカとしてのチャレンジなのかレクイレムなのか使命なのかは不明ですが、興行を予測したうえであえてこの作品を制作したことは立派と思いました。

5:ノートルダム大聖堂の「ガーゴイル」

「ガーゴイル」は、中世ヨーロッパのゴシック建築を中心に見られる雨どいの装飾の名称です。

建物表面のしっくいが流れる雨で傷まないように雨どいをつけ、その装飾が昔からの伝承による魔除けとなる魔物やモンスター等の姿を象ったという事です。

その特徴がノートルダム大聖堂に顕著に見られます。
魔物の姿をした雨どいの口から雨水が流れ落ちる様子は、大聖堂の穢れを放出する姿と解釈されていたそうです。

長年、西洋の宗教的な建築物の屋根をはじめいたるところに魔物の彫刻があるのか不思議でしたが、雨どいと魔除けと浄化を兼ねていたのかと、ようやく納得しました。

カジモトの姿はモンスター風で魔物に近く、大聖堂の奥深くを住処としていたのも象徴的で、このような文化的歴史的背景による、欧米では暗黙の了解のお話で、歴史的な勉強になります。

6:実写だったらエスメルダは誰?

歴代ディズニープリンセスのなかでは、エスメルダは、凄く美人でセクシーです。
それでいて優しくて、良い娘なのです。

現実にこのような人がいたら、ハートフルで素敵だと想像してしまいます。
混血でエメラルドグリーンの瞳のセクシー美女は、実写であったらいったい誰が演じるのだろうと思います。

ここ数年、ディズニーアニメ映画の実写化が流行っており、興行的にも大成功しているためか「ノートルダムの鐘」も実写化される予定があるようです。

「ノートルダムの鐘」は大人なストーリーのため、舞台でも成功していることから本来実写向きの作品なのかもしれません。

今年の春に火災が発生して騒ぎになっていたノートルダム大聖堂ですが、修復後に現地ロケ等があるのでしょうか。

ちなみに邦題の“鐘”に直したタイトルは、印象的に内容にふさわしく美しいタイトルでこちらの方が良いと思います。

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